設立趣旨

 

 

 

設 立 趣 旨 書

 

 

1 趣 旨

 

日本では欧米諸国に比べて難聴を自覚していながら補聴器を装用しない、または間違った難聴ケアがなされた結果、改善せずに生活の質が低下したまま放置されることが散見される。

近年、難聴が認知症の一因になることも知られ始めたが、難聴が原因で起きる様々な障害の重大性を知る機会がないことも難聴問題を放置する原因になっていると考えている。

以前から問題視されながらも欧米諸国に比べて行政の関与が低く、個人の責任の範疇であるとされ、その本格的な対応は、なされずにきた。

 

また、インターネットをはじめとする様々な媒体で、難聴ケアや補聴器に関する情報が提供され、巷に溢れている。しかしその情報の取捨選択は難しく、無知と思い込みが数多く見受けられ、かえって不必要な財産的不利益を被り、問題の解決になすすべもなく立ち往生しており、この窮状は看過できない深刻な事態である。

 

この事態を解決する一番の糸口は適切かつ正確な情報提供を広く確実に行うことであると考える。私たちは今まで専門家として「聞こえの改善」に数多く携わってきた。「聞こえの改善」経験を通じて得た知識・スキルを、難聴予備軍たる人々に向けて提供し、包括的な難聴ケアによって様々な障害が発生する前に対策を執ることで社会問題を改善したい。

 

 

2 任意団体設立に至るまでの経緯

  

埼玉県を中心に活動する難聴ケアを行ってきた実務家を中心に、難聴や補聴器などに造詣の深い有志が集まり、各々のスキームを活用して難聴問題に直面した個人の救済に寄与する方策を模索していた。

様々な専門家からの多角的視点により正確な情報提供を行い、救済の機会を積極的に提供するために、営利にとらわれない相談場所を設置し、難聴問題を抱える方に安心して情報を提供することにより、社会福祉の増進に寄与すると考え設立を決定し、今に至る。

 

 

 

2018年6月1日

さいたま難聴ケアセンター

理事長 岡野 雄一郎